『著作物の教育利用に関する関係者フォーラム』が発足
ICT CONNECT 21普及推進WG学習資源利活用促進SWGリーダーの芳賀高洋岐阜聖徳学園大学准教授から、著作権の最新動向についての情報提供がありましたので、ご紹介いたします。
2018年5月、教育の情報化と質的向上を目的として著作権法(第35条等)が改正されました。この法改正により、小中高校、大学等の授業において著作物を公衆送信する場合、教育機関の設置者が著作権者に補償金を支払う法的な枠組み(補償金制度)は提示されたものの、改正法の施行は「公布日より3年を越えない政令で定める日」とされ、適切な制度を構築・運営するための議論は十分につくされたと言えない状況にあります。
2018年11月27日、権利者団体と教育関係者が共同し、文化庁・文部科学省、有識者等より助言を得つつ、改正法に基づく制度の構築をはじめとする環境整備に取り組むための議論の場である『著作物の教育利用に関する関係者フォーラム』の第1回総合フォーラムが開催されました。
このフォーラムは、フォーラム全体の総括を行う総合フォーラムのほかに、以下の4つの専門フォーラムに別れ、今後、順次開催される予定です。
(1)補償金フォーラム(教育利用の補償金の支払等について)
(2)普及啓発フォーラム(教育現場における著作権に関する研修や普及啓発等について)
(3)ガイドラインフォーラム(著作権法の解釈に関するガイドラインについて)
(4)ライセンスフォーラム(補償金制度を補完するライセンス環境について)
以上のフォーラムには、小中等、高等教育等の団体の代表者、著作者・著作権者の団体の代表者、および、有識者(学識経験者)が委員として参加(文化庁、文部科学省の担当者は助言者として参加)し、教育と著作権に関して自由闊達な意見交換が行われる予定です(※現在のところ一般参加はできません)。
ICT CONNECT 21普及推進WGの学習資源利活用促進SWGでは、これまで「新しい著作権法と学校教育フォーラム」と題したシンポジウム( https://ictconnect21.jp/news_180919_001/ )を開催しているほか、SWG代表(芳賀高洋・岐阜聖徳学園大学)が上記(1)~(4)のフォーラムに有識者として参加する予定です。
今後の教育の情報化にとって、非常に重要な意見交換、情報交換の場となりますので、学校教育にご関係のみなさまには以下のウェブサイト等で公表される議事録等を注視していただくよう、ここにお知らせします。
『著作物の教育利用に関する関係者フォーラム』のウェブサイト
https://kyoiku-forum.sakura.ne.jp/
<2018年11月27日 第1回総合フォーラム 議事等>
https://kyoiku-forum.sakura.ne.jp/minutes/forum-g/1-181127/
<教育利用に関する著作権等管理協議会の設置について>
https://kyoiku-forum.sakura.ne.jp/conference/
<各フォーラムごとの委員名簿>
https://kyoiku-forum.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/GF_meibo.pdf
★参考資料
『 ICT 活用教育に係る諸外国の補償金制度及びライセンシング環境等に関する調査研究報告書』
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/chosakuken/pdf/r1393032_07.pdf