技術標準WG連続セミナー「未来の学びをささえる技術」 第10回「世界における初等中等教育でのCBT利用の現状: FLIP+国際会議報告」【6月26日(水)】

※イベントは終了しています。
ICT CONNECT 21の技術標準WGでは、教育に関わるさまざまな技術の調査と検討を行なっており、その成果をみなさまにお伝えする機会として、連続セミナーを開催しています。

コンピュータやモバイル機器等を使ってテストを行なうCBT (Computer-based Testing) が、一人一台環境が広がりを見せる中で世界的に注目が高まっています。今までの紙のテストでは難しかった評価が可能になる、採点を自動化することで運用業務の負荷を軽減できる、正解不正解だけでなく問題を解くためにかかった時間や回答までの思考のプロセスなどさまざまなデータを効率よく取得でき分析が可能になる、大規模なテストではトータルなコストを削減できるなど、多くのメリットが見込まれ、高等教育以降 (専門職の人材育成や資格認定を含む) のテストでは長年にわたりCBT利用が実践されています。また、この10年ほどは初等中等教育においてもCBT利用の検討・実践が世界的に進められていて、日本でも本年4月に行われた「平成31年度全国学力・学習状況調査」では、英語のスピーキング部分での試行という形で初めてCBTが使われました。新聞の記事をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

ヨーロッパではe-assessment(CBT)に関する知識や経験の共有を目的として、フランス、ルクセンブルグ、イタリア、ポルトガルの4か国のCBTの専門家・行政担当者が集まり、2017年に (頭文字から取って) FLIPと呼ばれる組織が作られました。現在はそこにブラジルなども加わってFLIP+ e-assessment communityという名前で活動しています。今年6月上旬にローマで開催されたFLIP+の年次会合に、ICT CONNECT 21 CBTサブワーキンググループのお2人が参加されましたので、そこで報告された内容も含め、CBTの現状を本セミナーでお話しいただきます。

前回のセミナーでは通常とスタイルを変え、ワークショップ形式で「CBTだからこそ測定できる能力」を参加者のみなさんと一緒に考えました。今回は、「初等中等教育現場でのCBT利用」に焦点を当て、諸外国の事例や傾向を踏まえて、今後の日本の展開についても考える機会にしたいと思います。CBT技術の詳細よりも、どの程度利用が広がり、どのような効果が出ていて、どんな課題が認識されているかなど、大規模アセスメントの制度におけるCBT利用に興味をお持ちの方を参加者として想定しています。

なお、CBT SWGについては、メンバーの再募集を行なって活動の再活性化を図る予定です。詳細が決まりましたら会員向けメールなどでお伝えいたします。

■開催日時
2019年6月26日(水) 15:00 〜 17:30
■受付開始
14:30
■開催場所
株式会社内田洋行新川本社2F ユビキタス協創広場CANVAS
※地図はこちら
http://www.uchida.co.jp/company/corporate/bases_1.html

■登壇者
劉 東岳 (りゅう とうがく)
株式会社学研ホールディングス 学研教育総合研究所/アセスメント戦略研究室 室長
研究テーマはCBT、テスト理論、アセスメント・サービス、資格試験制度など
ISO/IEC17024 (要員認証) 国内認定委員会メンバー
ICT CONNECT 21 CBT SWGリーダー

斎田 健太郎 (さいだ けんたろう)
株式会社インフォザイン 教育ソフトウェアグループ
ICT CONNECT 21 CBT SWGメンバー、国際連携SWGメンバー