プログラミング実証事業 各地域からの報告書の要点整理

総務省が行う「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」、実証事業の報告書が先日まとめられ、公開されました。
その要点を本サイトにてお知らせいたします。
※報告書はこちらのサイトの資料3です。

1)北海道
提案主体:株式会社LITALICO、参画パートナー:学校法人電子開発学園北海道情報大学
実証校:江別市立野幌若葉小学校
小学校全学年、特別支援学級(総勢45名)の児童に対し、一斉に同じクラスでプログラミング講座を実施。
民間事業者と地域大学の協働による地域メンター主導の講座運営モデル確立を狙う。
児童の主体的な活動を促すポイントの「必要以上に教え込みをせずにメンターが見守る」ことが実践されている様子がみられた。
また、特別支援学級の児童2名が、もともと決められたことをするのは得意だが枠を越えたことは苦手だったのが、自ら独創的な作品を作り上げ、周囲や同行していた保護者が感動した、という出来事もあった。

2)東北
提案主体:国立大学法人奈良女子大学附属中等教育学校、参画団体:宮城県女川向学館
実証校:女川向学館奈良女子大附属中等学校香川県土庄町立豊島小学校香川県土庄町立豊島中学校古河市立三和東中学校
プログラミング教育の地域間格差解消を目指す、遠隔育成支援モデルの実証。
プログラミング言語を学ぶ教育ではなく、チーム内で創造力や問題解決力を育成する教育であることを、メンターに徹底して周知し、メンター育成に重点を置く。
メンター育成プログラムにコーチングを取り入れていることが良い方向に作用し、メンターの「教え込み」がなく、子供たちが、目の色を変えて集中し、主体的に取り組む姿が見られた。

3)関東
提案主体:江崎グリコ株式会社、参画パートナー:グーグル株式会社株式会社電通
実証校:小金井市立前原小学校
小学校低学年向けプログラミング教育において、世の中にまだ少ない『直感的に学ぶことができるツール=GLICODE』を独自に開発。ルールに従い並べたおかしをスマートフォンアプリで読み込むことによりコーディングし、課題解決に導く。
小学校の低学年が相手になるため、メンターや先生の他、サポートスタッフをかなりつけないと実証が難しかった。
前原小学校の松田校長先生が強力な推進力となっており、学校内のWi-Fi設備の充実など、ハード面を含めて短期間にICT教育の環境を整備された努力はすばらしい。生徒の父兄の方々からのご理解も得つつあるようで、今後校区を越えて運動が展開できることが望まれる。

4)北陸
提案主体:一般社団法人みんなのコード、参画パートナー:加賀市教育委員会加賀市キラメックス株式会社
実証校:錦城東小学校橋立小学校作見小学校山代小学校山中小学校
実証テーマは「ノウハウの徹底公開による加速型プログラミング人材育成」。地域に根付いたプログラミング体験学習と継続的な横展開の実現を図る。
2017年度より本実証授業の内容を加賀市内全小学校の4年生以上の全クラスの総合的な学習の時間で展開予定。
また1月に校内自主研修として、本実証事業の内容を本研修に参加していない教員にも展開する学校があるなど、次につなげる動きが加速している地域。
宮元市長が積極的に旗振りしている。プログラム教育を展開するにあたっては、英国のCAS hubのような地域単位の相互応援・育成体制の整備が有効であることから、今後とも自治体、首長の関与は不可欠の要件であろうと思われる。

5)信越
提案主体:株式会社チアリー、参画パートナー:NSGグループ各社
実証校:新潟市立沼垂小学校新潟市立内野小学校新潟市立東石山中学校
プログラミングスクール「STAR Programming SCHOOL(スタープログラミングスクール)」の教材・カリキュラム、教室運営ノウハウ、講師育成ノウハウ等を用いて、NSGグループ、各種教育機関との連携により、新潟県内の小学生に対するプログラミング教育を実施。
教育課程外でのプログラミング講座の時間の確保及びメンターシフト調整に苦労した。
教員養成カリキュラムを受講した経験のない学生や民間企業人がメンターとして学校に入ることを広く展開すると想定するなら、メンターに子供達との接し方について、事前研修などを提供することを検討すべき、という提言を視察した委員から受けている。

6)東海
提案主体:株式会社D2C、参画パートナー:ライフイズテック株式会社
実証校:豊田市立梅坪台中学校
ライフイズテックが保持するプログラミング教育のプログラムやカリキュラムを活用し、D2Cがクラウドプラットフォームを使用したインタラクティブな学習機会の設計、コーディネートを実践。そのうえで地域の視点に立ち、効率的で効果的な運営を実施し、継続的な支援を視野に本事業を推進する。
大学生のメンター育成については、中高生を教えられるだけの技術力とファシリテーション力を身につけることができた。
また、メンターの募集や参加する中高生の募集告知の際に、自治体の協力が不可欠だった。

7)近畿
提案主体:西日本電信電話株式会社、参画パートナー:キャスタリア株式会社
実証校:寝屋川市立石津小学校
メンターによるロボットプログラミング講座を実施し、“もの”が動く楽しさの体験から大阪の「ものづくり」DNAを継承する人材育成のきっかけを導く。また産官学連携により、メンター育成を継続できる仕組みを構築する。
メンター間のコミュニティ形成に、SNS等も活用したのが特徴的。
実証校の校長先生から「講座を通じて、トライ&エラーを繰り返しながら最善解を求めていくというプログラミング教育は非常に可能性のあるものだと感じました。」という言葉を頂戴している。

8)中国
提案主体:一般社団法人国際STEM学習協会、参画パートナー:株式会社アワセルブス
実証校:山口市立大殿小学校
国内外に拡がるデジタル市民工房「ファブラボ」を活用し、地域でのプログラミング教育推進する人的基盤を構築。
メンター育成ではファブラボで培われたメソッドを用いてトレーニングの質の向上を図るとともに、継続的な活動を見据え教育関係者の顔の見える連携と活性化を実現。
視察委員から「海外でも日本の大学でも、サービスラーニングという活動があり、単位が取得できるように大学が認定している。工学部の学生は、研究などで忙しいので、できるだけ単位化することを、大学と話し合うと良いと思う。」という提言があった。

9)四国
提案主体:株式会社TENTO、参画パートナー:株式会社ダンクソフト
実証校:神山町立広野小学校
プログラミングを通して地域伝統芸能である『人形浄瑠璃』を再見し、教科教育のみならず、地域復興の人材育成とアイデンティティ教育にも役立てる取り組み。徳島県神山町のリモートオフィスで働くエンジニアをメンターとして活用。
教材自体をメンターの協力のもとに作成したことや、授業計画全体をメンターに作成してもらったことが特徴的。

10)九州
提案主体:株式会社アーテック、参画パートナー:国立大学法人九州工業大学
実証校:福岡県立戸畑高等学校北九州市立祝町小学校北九州市立児童文化科学館
ブロック・ロボット・プログラミングの教育に、九州工業大学工学学生をメンターとともに取り組む。また本実証にてメンター活動を修了した大学生に単位認定する仕組みも同時検討する。
メンター育成講座にてロールプレイングを実施し、小学生が理解できる言語での問いかけ・指導方法を体得できるようにした。
小学生だけでなく、大学生にも論理的思考の振り返りができた上に、保護者からは「小学校でもこのように大学生から学ぶ機会を増やしてほしい」という声があがり、小学生と大学生の接点を地域コミュニティで作り、双方に利点があった実証と言える。

11)沖縄
提案主体:公益財団法人学習ソフトウェア情報研究センター、参画パートナー:沖縄マルチメディア教育研究会NPO法人教育クラウド推進協議会株式会社エウレカスイッチインタラクティブ株式会社電脳商会
実証校:琉球大学教育学部附属小学校北谷町立浜川小学校
プログラミング指導者の育成講座の開発と実施、スキルベースのプログラミング講座の開発と実施、自律・自走を支援する教育クラウド・プラットフォームの活用が3つの柱。
事業終了後も、メンターが自立的にプログラミング教育を継続できるように、柔軟性を持たせるよう配慮した。


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