(次期学習指導要領に向けた)教科書の改善について(論点整理)およびパブリック・コメント

次期学習指導要領に向けて、教科用図書検定調査審議会で審議されてきた、教科書の改善方策についての論点整理が公開されました。

2016年9月8日、文部科学大臣から次の3点について審議要請がなされています。

(1)次期学習指導要領の実施に対応した教科書の改善方策について
(2)デジタル教科書の導入の検討に関連した教科書の改善方策について
(3)教科書検定手続きの改善方策について

この3点についての論点を整理したものになります。
大きくは、ICT CONNECT 21 のWebサイトで1月27日に掲載した、下記要点に変更はありません。
https://ictconnect21.jp/news_170127_003/

教育とICTに携わる上で、URL・QRコードの扱いがどうなるかは、ご注目されている方も多いと思いますので、以下に関係箇所について取り上げて記載し、要点をまとめます。
※各〇の→以降はICT CONNECT 21 事務局の解釈です。

〇現行の検定基準においては,URL・QRコード等の教科書上の取扱いについて定められておらず,事案ごとの対応となっているが,今後,掲載の増加が見込まれるとともに,基本的に各教科における取扱いを統一することが必要であるため,「引用」や「特定の営利企業,商品などの宣伝」とは別に,「教科共通の条件」においてURL・QRコード等の取扱いについて明確化することが適当である。
現行の検定基準では、URL・QRコードの教科書上の取扱いについて定められておらず、次期学習指導要領に向けた検定では基準を明確にする、という方針です。

〇審議においては,教科書の参照先の内容の質を担保するために一定の範囲における検定を求める意見もある一方で,一般のウェブサイト上の情報は,リンク切れでアクセスができなくなることや,内容を変えることも容易という可変性を有するものであることから,URL・QRコード等が参照するウェブサイト上の情報の全てを審査することは現実的には困難であるとの意見が多く出された。さらに,多くの児童生徒が紙の教科書のみを使用して学習を行うことに鑑みれば,URL・QRコード等の無秩序な記載は望ましいことではないため,これらの教科書への記載は必要かつ適切なものに限定されるべきである。
教科書なのでURL・QRコード等も検定すべきだが、全てを審査することは現実的に困難なこともあり、URL・QRコード等の記載は限定的にする、という方針です。

〇URL・QRコード等が参照させる情報の内容は前述のとおり可変性を有するものであり,本来的には,教科書発行者の責任において教科書への掲載がなされることが必要であると考えられる。この点を明確化するため,教科書上に掲載するURL・QRコード等については,教科書発行者自身のサイトに限ることが適当である。その際,当該教科書発行者のコンテンツのみに限定するのではなく,当該サイトをポータルサイトとして,他の学習上有益なサイトのリンクを貼ることも考えられる。
URL・QRコード等の教科書への記載は教科書発行者自身のサイトに限定し、そのサイトの運用は教科書発行者に部分的に委ねる、という方針です。

〇たURL・QRコード等に係る「教科共通の条件」に加え,外国語の教科書の内容(本文のスクリプト)を音声化したものを教科書発行者のサイトに掲載した場合については,URL・QRコード等の積極的な記載を許容することを外国語の「教科固有の条件」として位置付けることが適当である。
外国語についてのみは、求める資質・能力に照らしあわせた学習の仕方を考えると、URL・QRコード等の掲載を積極的に許容する、という方針です。

詳細、およびパブリック・コメントについては、下記Webサイトをご確認ください。
「平成28年度教科用図書検定調査審議会 教科書の改善について(論点整理)に関する意見募集」
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000877&Mode=0